ファミリーヒストリーで草刈正雄さんが訪問したノースカロライナ州
ありがとう! 僕の役者人生を語ろう 草刈正雄さん
まず最初に感動しました。NHKのファミリーストーリーを見てから興味を持って著書を読んでみたのですが、感動しました。草刈正雄さんは私の世代からすると「かっこいいお兄さん」みたいな存在です。三浦友和さんと並んでハンサムの代名詞みたいな存在です。和の三浦友和、洋の草刈正雄。今まで草刈正雄さんの人となりを気にしたことはなく、「神田川」や「汚れた英雄」のイメージをずっと持っていました。ファミリーストーリーでも描かれていましたが、幼少期は貧しく苦労されたみたいです。お父さんを早くになくされ(そう聞かされていたが実際は生きていた)お母さんと二人暮らし、そして夜学に通い働きながらの野球部の練習。そこからスターダムにのし上がっていく過程の自分の心の内側を本書で書かれています。驚いたのは、「大スターになってやる」というような野心から大スターになられたのではないということです。貧しさから母に楽をさせたい、自分も人並みの物が欲しい。そのためには働かなければという気持ちを持たれていて、その結果の連続が今の草刈正雄の地位を築いたということです。交通事故を起こして加害者になられた時の気持ちも書かれています。巻末に年譜がありますが、ずっとコンスタントに仕事をこなされています。普通のタレントさんはパッタリ仕事がなくなったり、急に人気が出て引っ張りだこになったり、浮き沈みが激しいのではないでしょうか。これだけコンスタントに仕事をされているということは、周囲の人を大切にしてきたからだと私は思います。「なつぞら」での頑固で心優しいおじいちゃん役の心優しい面は、草刈正雄さんの素の部分が出ていたはまり役だった気がします。人との出会い、縁をすごく大事にされてテレビで他の人がご本人を語るより、著書の方が人となりが良くわかりました。
ありがとう! 僕の役者人生を語ろう Kindle版 草刈 正雄 書評
心に残った文
「出会い」に恵まれてきた僕ではありますが
若い時、働いていた店のマスターにモデルクラブを紹介され、そのモデルクラブから別のモデルクラブを紹介され、いつの間にか東京にいた時の言葉。この出会いが草刈さんの芸能界の扉をひらいた瞬間だったのでしょう。出会いに恵まれるって本当に大切だなと思わせられました。
僕は生来どうにもネガティブな性格なので・・・心から安心したことは当時も今も一度としてありませんが
草刈さんのあの自然な感じからは想像できませんが、心の内はそうなのでしょう。順風満帆な人生を送っているように見える人でも安心しきって生きている人ってあまりいないのかもしれません。自分もちょっと安心しました。
事故を起こした時のことを書いておられます。
事故のことはだれでも話したくないことだと思います。特に自分が加害者の時はそうです。でも草刈さんはその内容も、その時自分がどう思っていたかも書かれています。すごく正直に書かれています。
何があってもこの仕事だけは辞めないということ
自身が付き、調子に乗り、坂道を転げ落ちていく。誰にでも経験があることでしょう。草刈さんはそんな状況でも何があってもこの仕事だけは辞めないと決めていたそうです。幼い頃の貧しさが身に染みていたからだそうです。強い意志を持ち次に舞台に進出します。
彼らの意見や助言によって、新たに気づかされることが決して少なくないのです。
マイペースに穏やかな老後につながっていけば良いかと思っていた草刈さんですが、スタッフの助言を受け入れると、いろんなアイデアが湧いてきて夢が膨らんできたそうです。意欲をかきたてられたそうです。良いスタッフさんに囲まれている証拠ですね。
家族に感謝
お母さんからは「ありがとうとごめんなさい」を素直に言える人になりなさい。「自分の好きな道を思い切って歩いていきなさい」と言われて育てられました。とても感謝されておられます。奥さんにも感謝の言葉をのべておられます。奥さんがいなかったら一日もやっていけないそうです。仲良しの夫婦ですね。
家族全員が僕の仕事に無関心
そのわけは本書を手に取って読んでください。ちょっと笑いました。
最後に
ファミリーヒストリーは本当に泣かされます。柳葉敏郎さんの存在を知らなかったお姉さんとの対面も泣きました。草刈正雄さんも本当に泣けました。この著書を読んでよかったです。ひたむきに生きていると報われるんですね。
この本を読んで感想を一言でいうと 「正直」
コメント